最終更新日:2026年6月13日
NISAのボーナス設定とは、毎月の積立額とは別に、賞与月だけ積立額を増やす設定のことです。夏・冬のボーナスを使って新NISAの非課税枠を多めに使いたい人、毎月の家計からは大きく投資できない人に向いています。
ただし、ボーナス設定は便利な一方で、賞与を使いすぎると固定資産税・車検・帰省費・教育費・住宅ローン返済などに回す現金が不足します。この記事では、NISAのボーナス設定の使い方、毎月積立や年初一括投資との違い、証券会社ごとの確認ポイント、失敗しない金額の決め方まで解説します。
NISAのボーナス設定とは
NISAのボーナス設定は、通常の毎月積立に加えて、指定した月だけ買付金額を増やすための機能です。たとえば毎月3万円を積み立て、6月と12月だけ10万円を追加するような使い方です。証券会社によって名称は「ボーナス月設定」「増額設定」「ボーナス設定」など異なりますが、考え方は同じです。
新NISAでは、つみたて投資枠と成長投資枠を併用でき、1人あたり年間360万円まで投資できます。毎月だけで枠を使い切るには大きな金額が必要ですが、ボーナス月に増額すれば、家計に合わせて非課税枠を使いやすくなります。
ボーナス設定が向いている人
- 毎月の手取りから大きく積み立てるのは難しい人
- 賞与の一部を資産形成に回したい人
- 年間投資枠をもう少し使いたい人
- 年初一括投資は怖いが、毎月積立だけでは物足りない人
逆に、ボーナスが業績連動で不安定な人、住宅ローンや教育費で賞与の使い道が決まっている人は、無理に設定しない方が安全です。
毎月積立・年初一括との違い

毎月積立は、投資タイミングを分散できるため、初心者にも使いやすい方法です。年初一括投資は、早く市場に資金を置ける一方で、投資直後に下落すると心理的な負担が大きくなります。ボーナス設定はその中間で、毎月積立を続けながら賞与月に少し厚く投資する方法です。
たとえば年間60万円をNISAに入れたい場合、毎月5万円にする方法もありますが、毎月3万円にして、6月と12月に各12万円を追加する方法もあります。どちらも年間60万円ですが、後者は毎月の家計負担を下げられます。
一方で、ボーナス月の買付はその月の価格に左右されます。相場が高い時期に多く買う可能性もあるため、ボーナス設定だけに偏らず、毎月積立をベースにする方が安定しやすいです。
ボーナス設定はいくらが目安?

目安は「手取りボーナスの10〜30%」です。たとえば手取りボーナスが40万円なら、4万〜12万円をNISAに回すイメージです。住宅ローン、教育費、旅行、帰省、車検、固定資産税などの支払いがある家庭では、まず必要支出を差し引いてから決めましょう。
賞与の半分以上をNISAに入れるのは、生活防衛資金が十分にあり、近い将来の大きな支出がない人向けです。ボーナスが出たらすぐ投資するのではなく、年払い保険料、税金、教育費、家電買い替えなどをリスト化して、余った分だけ投資に回す方が失敗しにくくなります。
金額例
- 手取りボーナス20万円:NISA増額2万〜5万円
- 手取りボーナス40万円:NISA増額4万〜12万円
- 手取りボーナス80万円:NISA増額8万〜24万円
年2回のボーナスで各10万円を追加すれば、年間20万円の上乗せです。毎月3万円の積立と合わせると年間56万円になり、無理なく非課税投資額を増やせます。
ケース別:ボーナス設定の使い方
20代・独身会社員の場合
20代で生活費が比較的軽く、実家暮らしや家賃負担が小さい人は、ボーナス設定を使って投資額を増やしやすい時期です。ただし、転職・引っ越し・資格取得・結婚資金など、近い将来の支出もあります。手取りボーナス40万円なら、まず10万円を現金で残し、5万〜10万円をNISAに回すくらいから始めると安全です。
30代・住宅ローンありの場合
住宅ローンがある家庭では、ボーナス返済、固定資産税、火災保険、修繕費を先に見ます。NISAに回すのは、これらを差し引いた後の余裕資金です。ボーナス払いを設定している住宅ローンでは、賞与月の現金が一気に減るため、NISAのボーナス設定は控えめにしましょう。
子育て世帯の場合
子育て世帯では、夏休み・冬休み・習い事・受験・進学準備など、賞与月の支出が増えやすくなります。NISAに回す金額は、教育費用の現金と分けて管理するのが基本です。子どもが小さい時期は毎月積立を中心にし、ボーナス設定は年1回だけにする選択もあります。
50代・退職前の場合
50代は運用期間が短くなるため、ボーナスを大きくNISAに入れる前に、退職金、住宅ローン残債、老後の生活費を確認します。退職後すぐ使う予定のお金は投資に向きません。一方で、10年以上使わない老後資金の一部なら、NISAで非課税運用する選択もあります。
証券会社別に確認したいポイント
ボーナス設定は証券会社によって画面や条件が異なります。楽天証券、SBI証券、マネックス証券、松井証券などでは、積立設定画面で増額月や金額を確認します。クレカ積立の場合、カード決済の上限や設定締切日も関係するため、必ず公式サイトで最新条件を確認してください。
参考:楽天証券公式サイト、SBI証券公式サイト、マネックス証券公式サイト、松井証券公式サイト
クレカ積立の上限に注意
クレカ積立には月ごとの上限があります。ボーナス月に増額したい場合、すべてをクレカ決済にできるとは限りません。証券口座からの引き落とし、銀行引落、現金買付など、どの決済方法で増額できるかを確認しましょう。
設定締切日を過ぎると翌月扱いになる
積立設定には締切日があります。ボーナスが入ったあとに設定しても、その月の買付に間に合わないことがあります。夏ボーナスなら5月中、冬ボーナスなら11月中など、早めに設定画面を確認しておくと安心です。
楽天証券で見るポイント
楽天証券を使う場合は、楽天カード・楽天キャッシュ・証券口座引落のどれで積み立てるかを確認します。ポイント還元だけでなく、増額設定の反映タイミング、引落日、買付日を見ておくと、ボーナス月の資金不足を防ぎやすくなります。
SBI証券で見るポイント
SBI証券では、クレカ積立の上限や三井住友カード側の条件、積立設定の締切を確認します。ボーナス月に大きく増額したい場合、カード決済だけで足りるか、証券口座入金が必要かを事前に見ておきましょう。
マネックス証券で見るポイント
マネックス証券はクレカ積立やポイント還元に注目されやすい口座です。ボーナス設定を使う場合も、毎月のカード積立と追加投資を分けて考えると管理しやすくなります。米国株や投資信託を併用する人は、成長投資枠とのバランスも確認しましょう。
失敗しやすい注意点
1. ボーナスを全部投資してしまう
賞与は、税金・保険料・帰省・旅行・家電・車検・教育費などに使う家庭が多いお金です。NISAの非課税枠を使いたいからといって、賞与を全額投資に回すと、数か月後に現金不足になり、NISAを売却することになりかねません。
2. 高値づかみを気にしすぎる
ボーナス月に相場が高いと「今買ってよいのか」と迷います。しかし、長期投資では完璧な買い時を当てることはできません。心配なら、ボーナスを一度に入れず、3か月に分けて増額する方法もあります。
3. 年間投資枠を超える設定にする
NISAには年間投資枠があります。毎月積立とボーナス増額を合計した金額が枠を超えないように確認してください。設定画面で上限を自動調整してくれる場合もありますが、投資計画として年間合計額を自分で把握することが重要です。
4. 夫婦で同じ月に増額しすぎる
夫婦でNISAを使っている場合、2人とも同じボーナス月に大きく増額すると、世帯の現金が一気に減ります。夫は6月、妻は12月に増額する、または片方は毎月積立だけにするなど、家計全体で調整しましょう。
ボーナス設定を使った年間プラン例
年収500万円の会社員が、年間60万円をNISAに入れたい場合を考えます。毎月3万円を積み立てると年間36万円です。残り24万円を夏・冬のボーナスで各12万円ずつ増額すれば、毎月の負担を抑えながら年間60万円を達成できます。
年収700万円の共働き世帯なら、夫婦それぞれが毎月3万円、ボーナス月に各10万円を追加すると、世帯で年間112万円になります。NISA枠を満額使わなくても、長期で続ければ十分に大きな資産形成になります。
大切なのは、ボーナスが入った瞬間に使い道を決めるのではなく、年初に「毎月積立」「ボーナス増額」「現金で残す分」を先に分けておくことです。家計のイベントが多い家庭ほど、投資額よりも継続性を優先しましょう。
ボーナス設定の年間スケジュール

ボーナス設定は、賞与が振り込まれてから慌てて設定するより、年初にスケジュール化しておく方が失敗しにくくなります。1月に年間の投資上限と家計イベントを確認し、5月に夏ボーナス分、11月に冬ボーナス分の設定を見直す流れです。
たとえば6月に夏ボーナスが入る会社員なら、5月中に増額設定を確認します。12月に冬ボーナスが入るなら、11月中に設定を確認します。証券会社や決済方法によって締切日が違うため、「ボーナスが入ったら設定する」では間に合わないことがあります。
- 1月:年間でNISAに入れる目標額を決める
- 3月:固定資産税・車検・進学費用など大きな支出を確認
- 5月:夏ボーナスの増額設定を確認
- 7月:夏ボーナス後の現金残高を確認
- 11月:冬ボーナスの増額設定を確認
- 12月:年間投資額と来年の積立額を見直す
この流れにしておくと、NISAのために生活費を崩すリスクを減らせます。投資額は大きいほどよいのではなく、家計が荒れない範囲で長く続けられることが大切です。
ボーナス設定をやめる・減らす判断基準
一度設定したボーナス増額は、毎年同じ金額を続ける必要はありません。ボーナスが減った、住宅ローン金利が上がった、教育費が増えた、転職や育休で収入が変わった場合は、すぐに減額して構いません。NISAは満額を使い切る競争ではありません。
特に注意したいのは、賞与が減っているのに前年と同じ増額設定を残しているケースです。証券口座の残高不足で買付できなかったり、生活費口座から慌てて資金移動したりすると、家計管理が崩れます。毎年5月と11月に「今年も同じ金額でよいか」を確認しましょう。
また、相場が下がっているときにボーナス設定を続けるのが怖くなる場合もあります。その場合は全停止ではなく、増額分だけ半分にする方法があります。毎月積立は続け、ボーナス増額だけ調整すると、投資習慣を切らさずに心理的な負担を下げられます。迷ったときは「今年だけ減額」でも十分です。継続できる設定を残す方が、長期では成果につながりやすくなります。無理をしないことが最優先です。安全第一です。
よくある質問(FAQ)
Q. NISAのボーナス設定とは何ですか?
毎月の積立とは別に、指定した月だけ積立額を増やす設定です。夏・冬の賞与からNISAに多めに投資したい人に向いています。
Q. ボーナス設定はいくらにすべきですか?
目安は手取りボーナスの10〜30%です。税金、教育費、住宅ローン、旅行費などを差し引いた余裕資金から決めましょう。
Q. ボーナス設定と年初一括投資はどちらがよいですか?
余裕資金が明確なら年初一括も選択肢ですが、初心者は毎月積立をベースにボーナス月だけ増額する方が心理的に続けやすいです。
Q. クレカ積立でもボーナス設定できますか?
証券会社やカード決済の上限によります。クレカ積立の月額上限、設定締切日、証券口座からの買付可否を公式サイトで確認してください。
Q. ボーナス設定をしたあとに金額変更できますか?
多くの証券会社で変更できます。ただし締切日を過ぎると次回買付に反映されない場合があります。変更期限を事前に確認しましょう。
Q. ボーナスが減った年はどうすればよいですか?
無理に増額せず、設定を下げるか一時停止を検討しましょう。NISAは満額利用よりも、現金不足にならず長く続けることが大切です。
まとめ:ボーナス設定は「余った賞与」を投資に回す機能
NISAのボーナス設定は、毎月積立だけでは物足りない人が、賞与月に投資額を増やすための便利な機能です。年初一括投資より心理的な負担が小さく、毎月積立より年間投資額を増やしやすいのがメリットです。
ただし、賞与は生活費の調整弁でもあります。税金、教育費、住宅ローン、旅行、車検、家電買い替えなどを差し引いたうえで、余裕資金だけをNISAに回しましょう。迷ったら、毎月積立をベースに、ボーナスの10〜30%だけを増額するところから始めるのがおすすめです。
出典・参考資料
- 出典:金融庁 NISA特設ウェブサイト
- 参考:楽天証券公式サイト
- 参考:SBI証券公式サイト
- 参考:マネックス証券公式サイト
- 参考:松井証券公式サイト
免責事項:本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品・証券会社・投資行動を推奨するものではありません。投資には元本割れリスクがあります。積立設定やボーナス設定の条件は証券会社により異なるため、申込前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
執筆・監修:NISA比較ナビ編集部
本記事は、金融庁・国税庁・各社公式サイト等の一次情報をもとに、NISA比較ナビ編集部が中立的な立場で作成しています。特定の金融商品を推奨するものではありません。

コメント