新NISAで個別株投資する方法・注意点【成長投資枠の使い方】

投資の基本知識

更新日:2026年5月10日

新NISAの成長投資枠では、投資信託だけでなく国内株式・米国株式といった個別株にも非課税で投資できます。ただし「課税口座と何が違うのか」「損が出たときどう扱われるのか」「初心者がいきなり手を出して大丈夫なのか」と迷う人は多いはず。本記事では、NISAで個別株投資を始める手順、知らないと損する5つの注意点、そして初心者でも失敗しにくい銘柄の選び方を、金融庁の一次情報と実際の利用者口コミを交えて徹底解説します。

個別株はNISAのどの枠で買える?

個別株(国内株・米国株・ETF・REITなど)はすべて成長投資枠(年240万円)で購入します。つみたて投資枠(年120万円)は金融庁が認めた長期積立向けの投資信託に限定されているため、個別株は対象外です。

新NISAでは年間最大360万円(成長240万円+つみたて120万円)、生涯1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)の非課税枠が使えます。個別株を買うなら、この成長投資枠の使い方が運用成績を大きく左右します(出典:金融庁 新NISA特設サイト)。

成長投資枠で買えるもの・買えないもの

  • 買える:上場株式(日本・米国・中国・欧州など)、ETF、REIT、上場投資信託、一部の公募投資信託
  • 買えない:整理銘柄・監理銘柄、信託期間20年未満の投資信託、毎月分配型投資信託、デリバティブ型投資信託、レバレッジ投資信託

金融庁は「長期の資産形成にふさわしくない商品」を明示的に除外しています。仕組みが複雑な商品をNISAで買うことは制度上できないので、初心者が変な商品をつかむリスクは抑えられている設計です。

NISAで個別株を買う具体的な手順【5ステップ】

① 証券口座とNISA口座を同時に開設する

まだ口座がない方は、SBI証券・楽天証券・マネックス証券などのネット証券でNISA口座を開設します。NISA口座は1人1口座しか持てず、開設には税務署の審査(通常1〜2週間)が必要です。

すでに別の証券会社でNISA口座を持っている場合、年単位で金融機関を変更できますが、その年に1円でもNISA枠を使っているとその年は変更不可です。年が変わるタイミング(10〜12月)に手続きを始めるのがコツです。

② 個別株向けに証券会社を選ぶポイント

投資信託メインなら手数料はどこも横並びですが、個別株は証券会社で大きな差が出ます。

  • 国内株の手数料:SBI・楽天・マネックスはNISA口座なら基本無料
  • 米国株の銘柄数:SBI・楽天が約5,000銘柄、マネックス・moomooは特化
  • 米国株の為替手数料:SBI・楽天が片道25銭、マネックスは買付時0円キャンペーン
  • 取引ツール・情報量:マネックスの「銘柄スカウター」、moomooの板情報・機関投資家動向は他社より頭一つ抜けている

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③ 証券口座に入金する

銀行口座から証券口座に資金を振り込みます。多くのネット証券は「即時入金(無料・即反映)」「振込入金(手数料は自己負担)」「定期自動入金」の3種類が選べます。NISA口座の入金額に上限はなく、年内に成長投資枠240万円を使い切る配分を自由に決められます。

④ 銘柄を選んで「NISA成長投資枠」で発注する

注文画面で「特定預り」「一般預り」「NISA成長投資枠」のどれを使うかを選びます。誤って課税口座(特定)で買ってしまうと、後からNISAに付け替えることはできません。発注前の確認は必須です。

国内株は基本100株単位(単元株)ですが、SBI証券・マネックス証券・楽天証券は1株から買える「単元未満株」も提供しています。NISA成長投資枠での単元未満株はSBI・マネックスは対応、楽天は2024年から対応しました。

⑤ 売却・配当受け取りの設定をする

配当金を非課税で受け取るには、配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」に設定する必要があります。「登録配当金受領口座方式」など他の方式だと、NISA口座で買った株でも配当金に20.315%課税されるという落とし穴があるため、口座開設直後に必ず変更しておきましょう。

NISAで個別株投資する際の5つの注意点

注意点①:損益通算ができない

NISA最大のデメリットがこれです。NISA口座で出た損失は、課税口座(特定口座・一般口座)の利益と相殺できません。さらに、損失を翌年以降に繰り越す「譲渡損失の3年間繰越控除」も使えません(出典:国税庁 No.1474 NISA)。

個別株は投資信託より値動きが大きく、20〜30%の含み損も珍しくありません。「課税口座で利益が出ているからNISAの損と相殺して節税」というテクニックがNISAでは使えない、ということを必ず理解してから始めましょう。

注意点②:成長投資枠の上限と「枠の復活」のしくみ

成長投資枠は年240万円・生涯1,200万円が上限です。新NISAでは売却した分の枠は翌年に簿価ベースで復活します。たとえば100万円で買った株を200万円で売却した場合、復活するのは元本の100万円分だけ。利益分は枠に戻りません。

頻繁な売買を繰り返すと枠の使い方が非効率になります。「個別株は短期売買向け」と思っている人ほど、NISAでは長期保有を意識すべきです。

注意点③:配当金の受取方式を間違えると課税される

前述の通り、配当金を非課税にするには「株式数比例配分方式」必須です。複数の証券会社にNISA口座を持っていなくても、過去に登録配当金受領口座方式で受け取っていた人は要注意。ネット証券の管理画面から1〜2分で変更できます。

注意点④:外国株は「現地源泉税」がかかる

米国株の配当金には、米国側で10%の源泉税がかかります。これはNISAでも変わりません。課税口座なら「外国税額控除」で取り戻せますが、NISAは確定申告での控除対象外です。配当金狙いで米国株をNISAで持つ場合、この10%は取り戻せないコストとして織り込む必要があります。

注意点⑤:1銘柄集中投資のリスク

NISAは個別株でも非課税の恩恵が大きいため、1〜2銘柄に集中投資したくなる人が多いです。しかし企業の不祥事・業績悪化で株価が半値になれば、生涯枠も半分が紙切れ同然になります。最低でも10銘柄以上に分散するか、ETFや投資信託を組み合わせるのが鉄則です。

実際にNISAで個別株を買った人の口コミ・体験談

新NISAで初めて個別株(高配当の通信株)を買った。投資信託しか触ってこなかったから、値動きがダイレクトに来るのは怖いけど、配当金が非課税で振り込まれるのは普通に嬉しい。長期で持つつもりなら個別株もアリかも。

— Xユーザー X 40代 会社員(投稿要約)

新NISA成長投資枠で米国の半導体株を買って爆損中。20%以上含み損。課税口座だったら損益通算で他の利益と相殺できたのに、NISAだとそれができない。これが噂のNISAの罠か……。Xの口コミより。

— Xユーザー X 30代(投稿要約)

50代から新NISAで個別株を始めた。リスクは取りすぎないようにJTやNTT、三菱商事など高配当の大型株中心。配当金で年間20万円くらい。死ぬまで持つつもりなので含み損益はあまり気にしてない。Xの声より。

— Xユーザー X 50代(投稿要約)

新NISA1年目に成長投資枠で米国ETF(VYM)を100万円分買った。配当金が四半期ごとに入って、課税口座と違って20.315%引かれないのが地味にありがたい。為替リスクは覚悟の上。

— Xユーザー X 40代(投稿要約)

口コミからも分かる通り、長期保有・分散・高配当狙いという王道戦略を取れる人にはNISA個別株は強力な武器ですが、短期で値動きを取りに行く人は損益通算ができないデメリットが直撃します。SNSの体験談を見ても、「20%以上の含み損で身動きが取れない」という声と「配当金が非課税で淡々と入ってくる」という声がはっきり二分されているのが印象的です。自分がどちらの戦略に向いているのか、口座開設前に1週間ほど時間を取って考えてみることをおすすめします。

利用者口コミから見えた3つの傾向

X上の数十件の投稿を読み込むと、新NISAで個別株を始めた人には次のような共通パターンが見えてきます。

  • 長期×高配当組:50代以上に多い。日本の通信・商社・銀行株を中心に、配当金で年10〜30万円を非課税で受け取る運用。含み損益は気にせず「死ぬまで持つ」というスタンスが目立つ。
  • 米国成長株組:30〜40代に多い。半導体・テック株でキャピタルゲインを狙うが、相場局面によっては20〜30%の含み損を抱えるケースも。損益通算ができないことに後から気づく人が一定数いる。
  • ETFハイブリッド組:投資信託の積立をベースに、成長投資枠でVTI・VYM・1655(iシェアーズS&P500ETF)などを買い増す運用。「個別企業のリサーチに自信がないからETFで十分」という声が増えている。

どの戦略を選ぶにせよ、「NISAだから絶対に得」ではなく、「長期×分散ができれば非課税のメリットが最大化される」という基本原則は変わりません。

初心者向け・NISA個別株の選び方3パターン

パターン①:高配当株でインカム重視

配当利回り3〜5%の大型株を10〜15銘柄に分散。日本株なら通信・商社・銀行・保険セクター、米国株ならコカ・コーラやP&Gなど連続増配株が代表例。NISAなら配当金が非課税なので、課税口座で持つより手取りが約25%増えます。

パターン②:成長株でキャピタルゲイン重視

米国のテック株・半導体株など、配当よりも値上がり益を狙う戦略。リターンは大きいですがボラティリティも大きいため、生涯枠の30%以下に抑えるのが安全です。

パターン③:個別株はせず、ETFと投資信託で代用

個別株を選ぶ自信がないなら、米国S&P500 ETF(VOO・SPY)や全世界株ETF(VT)、または日本株TOPIX連動ETFをNISA成長投資枠で買う方法もあります。これなら銘柄選びに悩まず分散投資が完了します。詳しくはインデックス投資の解説記事もご覧ください。

投資信託 vs 個別株:NISAではどちらを優先すべき?

金融庁のNISA口座開設・利用状況調査によれば、2025年12月末時点でNISA口座での買付額の約7割が投資信託、約3割が個別株です。プロの判断にお任せできる投資信託のほうが、初心者には依然として人気です。

結論として、以下のような順序で組み立てるのが現実的です。

  1. つみたて投資枠でインデックス投資信託を月3〜10万円積立(コア)
  2. 慣れてきたら成長投資枠でも同じインデックスを追加積立
  3. 余裕資金がある人だけ、成長投資枠の一部で個別株や高配当ETFを買う(サテライト)

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よくある質問

Q. NISAで買った個別株が値下がりしたらどうすればいい?

A. 慌てて売る必要はありません。NISAは長期保有が前提の制度で、損切りしても他の利益と損益通算できないため、短期的な値下がりで売るメリットは小さいです。長期で持てば株価が回復することも多く、配当を受け取りながら待つ判断もアリです。ただし、企業のファンダメンタルズが明らかに悪化した場合は損切りも検討します。

Q. NISAの成長投資枠で米国株を買うメリットは?

A. 値上がり益と配当金が日本側では非課税になるのが最大のメリットです。米国の連続増配株(コカ・コーラ、P&G、ジョンソン&ジョンソンなど)は数十年単位で配当を増やしてきており、長期保有すれば配当だけで投資元本を回収できる可能性もあります。ただし米国側の10%源泉税は控除できないため、課税口座のように外国税額控除で取り戻すことはできません。

Q. 個別株を買うのに必要な最低資金はいくら?

A. SBI証券・マネックス証券・楽天証券では1株単位で購入できる「単元未満株」サービスがあり、数百円〜数千円から個別株を買えます。通常の単元株(100株単位)の場合、株価2,000円の銘柄なら20万円が必要になります。NISA成長投資枠は単元未満株にも使えるため、少額から個別株分散投資を始めたい人に向いています。

Q. NISAで買った個別株の配当金にも税金はかかりますか?

A. 配当金の受取方式を「株式数比例配分方式」に設定していれば、日本国内の税金(20.315%)はかかりません。ただし、米国株などの外国株の場合、現地源泉税(米国は10%)は引かれた状態で配当金が振り込まれます。受取方式が「登録配当金受領口座方式」など他の方式だと、NISA口座の株でも国内税が課税されてしまうため、必ず確認しましょう。

Q. NISAで買った個別株を売却した場合、その分の枠は復活しますか?

A. 新NISAでは売却した分の枠が翌年に復活します(簿価ベース)。たとえば100万円で買った株を150万円で売った場合、翌年に復活するのは購入金額の100万円分だけで、利益50万円は枠に戻りません。年内に売却・再購入を繰り返しても、その年の年間投資枠(成長投資枠240万円)は復活しないので注意が必要です。

Q. 投資初心者がいきなり個別株を始めても大丈夫?

A. 推奨はしません。投資信託は数百〜数千の銘柄に自動で分散投資されますが、個別株は1社の業績・株価に資産が左右されます。まずはつみたて投資枠でインデックスファンドの積立を半年〜1年継続し、値動きと自分のリスク許容度を体感してから、余裕資金で個別株に挑戦するのが安全です。

まとめ:NISA個別株は「長期×分散×高配当」が王道

NISAの成長投資枠を使えば個別株も非課税で投資でき、特に配当金を非課税で受け取れる点は他の制度にはない強力なメリットです。一方で、損益通算ができない・損失の繰越控除も使えないという仕組み上、短期売買や1銘柄集中の戦略はNISAと相性が悪いことも事実。

初心者はまずインデックス投資信託の積立から始め、慣れてから成長投資枠で高配当株や米国ETFを少しずつ追加するのが現実的です。証券口座の選び方や具体的な銘柄選定の前に、まずは制度のルールを正しく理解することが、NISAで失敗しないいちばんの近道です。

出典・参考資料

免責事項: 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の推奨や勧誘を目的とするものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。記載の制度・税制は2026年5月時点のもので、今後変更される可能性があります。

執筆・監修:NISA比較ナビ編集部

本記事は、金融庁・国税庁・各社公式サイト等の一次情報をもとに、NISA比較ナビ編集部が中立的な立場で作成しています。特定の金融商品を推奨するものではありません。

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